山本裕之のひとりごと2007.11.11 7人の弁護士
★2007.11.11 7人の弁護士
僕は、★2006.12.24
症候群で述べたところの 海外ドラマ依存である。
それは今に始まった事ではないのだが、特にこの1年は取り憑かれたが如くに映画も含め数百本の作品を見漁った。理由は簡単、24時間営業で激安の
レンタル 店(¥100 par week!!)を2つも見つけたからなのだけど、堰を切ったみたいにオタク化していっている。
いきなり理屈っぽい余談になるが、DVD鑑賞は家で観るからオタクと呼ばれてもいいのだが、オタクやマニアたちは家に閉じこもったり同胞だけで集
まって
楽しんでばかりではいけない。最近、弊店も含めてだがドコのバーに行っても同じような会話ばかりで退屈だ。オッサンの汚いエロ話、どっかの店のガ
イドブッ ク的話、それ
にメディアに繰り出された時事ネタばかりで、聞いてて全く興味が湧かない。(まだ仕事の愚痴や不毛な恋愛話やタブー系の話とかオレ様の昔話の方が
いくらか マ シだ)
いつも僕が言う活きた情報とは、聞いてるヒトにも何かを分かつもんで、誰がドコでウマいメシ喰おうが、メディアの代弁的に本質を見ない政治批判な
んてどう だっていい。何が面白いって、自分の知らない真実の情報を深くまで入り込んだヒトから何かを感じる瞬間だ。
だから、オタク諸君、家に閉じこもって独りで楽しまないで是非酒場に来て大いに語ってくれ給へ(多少の話術がないと楽しませられないけどそれも慣
れだよ、
慣れ)。どうせ話したって解ってもらえないなんて言ってたらコミュニケーションできなくなっちゃうよ....話さなちゃ解らない。オタクって呼称
ができる 前は酒場でいろんなマニアックな話が転がってだんだよなぁ........
さて、正論の種をまいたところで僕の海外ドラマのお勧めをご披露しよう!
僕の祖父は戦後、進駐軍で通訳をやってたこともあってか映画好きで、レンタルビデオ店もない頃はいつも映画音楽を聴いてそのシーンを語っていたの
を覚えて いる。なので血を引いている父も僕も少なからず影響を受けている。
そんな祖父が教えてくれた海外ドラマが、『逃亡者』や『コンバット』だ。
以来、僕は何かと海外ドラマを観るコトとなる。
コドモの頃は、『宇宙大作戦』、
『燃えよ!カンフー』、『ワンダーウーマン』などが好きだった、『ナイトライダー』、『スパイ大作戦』、『チャーリーズエ
ンジェル』、『スタスキー&ハッチ』、『マイアミバイス』は当時はあまり好きではなかった。
その後御多分に洩もれず『ツインピークス』、『ビバリーヒルズ高校白書』や『冬のソナタ』なども観たが何より大好きで未だにDVD化を懇願してや
まないの は、『L.A.ロー 7人の弁護士』である。
スティーブンポチコの制作で
L.A.の個性的な弁護士たちを描いたシニカルな法廷ドラマだ。94年に8年目でファイナルシーズンを迎えるのだが、僕は当時カナダに住んでいて
放送終了
の日はアメリカを縦断中だったのでたまたまL.A.の舞台となっているダウンタウンのビルディングの前でファンたちと共に別れを惜しんだのを今で
もよく思 い出す。ドコの世界もファンは同じだ。またケーブルなどで再放送してたら観てみてください。
因みに、スタッフには『アリーmy love
』のデビットEケリーやアーロンソーキンの名もあるし俳優陣もジミースミッツやジョンスペンサーなど後に評価されるヒトたちをたくさん輩出してい
ます。
『L.A.ロー
7人の弁護士』や『ER』以降、アンサンブルという技法でドラマが構成されるコトが増えてきた、同時に様々な話が進行し交差するというスピー
ディーで複雑 な作り方だ。『スタートレック』シリーズですら最近作はこの技法を取り入れている。
その最たるものが 『24 -TWENTY FOUR-』 であろう。『24
』の場合はアンサンブルのうえに時間が前後しないという観客に臨場感を持たせるにはベストな手法を創造し、これがヒットに繋がった。僕も先ほど第
6シーズ ン を見終えたばかりだ。まだ続くようだ。
日本のドラマの薄っぺらさや韓流のワンパターンさは1クールで観ているこちらがもたないが
(詳しくは書かないがドラマづくりのシステムがかなり違うので仕 方ない)、6年目で少々飽きが来ているものの『24 -TWENTY
FOUR-』 はまだまだ満足できる作品である。
さて、アンサンブルと言えば、是非観ていただきたい作品がある。
『ER』のスタッフとアウトローな脚本家アーロンソーキンが制作した 『ザ・ホワイトハウス』 だ。
ホワイトハウスのウエストウィングを舞台に大統領とその補佐官たちが政治の中で、正義とは、国家とは、人間とは、を苦悩する何とも地味ぃなドラマ
だ。
リベラルで陽気な大統領にマーチンシーン、主席補佐官にジョンスペンサーが扮している。大統領はあまりでてこないのだがいろいろな問題が起こった
時に的を 得たいい事を言うのでそれが格好いい。
僕は最近の海外ドラマは韓流も含めて原語で観るのがいいと思っているが (『24』は絶対原語だ!!
吹き替えは叫びすぎだ)、いくつかは吹き替えの方がいいのがある。
まず 『ザ・ホワイトハウス』
は、英語の方が臨場感があるのだが吹き替えの声優の演技にはハマってしまう。大統領の小林薫、報道官のCJクレッグの夏木マリは最高だ。
『セックスアンドザシティ』
の場合は翻訳が素晴らしい、英語でシリアスな内容もウマく日本人向けの感情に置き換えて30代シングルウーマンたちが人生を達観させている感じが
する、ホ ントに素晴らしい翻訳だ。
『トゥルーコーリング』の翻訳もハマる。
『プリズンブレイク』もなかなか声優陣がハマっている。『CSI』シリーズは微妙だけど、『エイリアス』『ロスト』『デッドゾーン』などその他の
作品は原 語の方が明らかによい。
『ザ・ホワイトハウス』を観て、いつも僕は "ホンシツ" とは何かを考える。
僕はどちらかというと理屈屋で正論を常に重んじる。しかし、昨今の若いボクサー批判や高飛車女優批判や横綱のサッカー問題、至っては沖
縄の集団自決の教科書問題や映画
南京大虐殺、と、正論をかざして世論を味方にしその手の輩たちを攻撃するのは逆に虐めにしか見えない、何とも気持ち悪い。
本質は争いにはない。
本当に犯してしまった罪は本人たちが一番よく解っているハズで本人たちが苦しみ続けるのだ、マスがコドモの教育に悪いからなんて言って虐めをして
いる方が もっと教育に悪 い、魔女狩りでしかないだ。
ただ誤解のないように補足するなら正論が悪い訳ではなく、正
論と本質 は常に同じではないというコトだ。大切なのは正論ではなく正論をもとに導きだした本質である。そしてそこからどうす
るが大事 だ。
『ザ・ホワイトハウス』には仮想ながら国を治める正論が本質と葛藤するシーンが幾度となくでてくる、そんなドラマだ。
政治家は世論に頼ってだけ政治をしてはいけない、時に世論を裏切っても国益の為未来の国民の為に決断をするコトも必要だ、そこに本質さえあれば。
先日も我が国で、大連立騒動なる醜く浅いやり取りがあった。政権が代わって腐った官僚支配政治が改善するのはいい。しかし、そもそも僕は2大政党
制がいい とは思わな い。時
代にそぐっていないからだ。もっと流動的に精密にスピーディにやる為には複数の政党の連立がいい。2大政党制なんてアメリカもイギリスも実は上手
くいって いない
のだ、超党派でやる裏技をもってるから均衡してるように見えるだけだ。今回の大連立なんて論外だ。政治家もこのドラマみればいいのに
ねぇ.........
日本のマスコミは特にだが、多くのマスメディアは世論を武器に何かを攻撃しすぎるし時に政治を滞らせる、幼稚だ。本質はそこにはない場合が多い。
みんなが 本質を捉える努力をすればこの世の中もう少し優しくなって争いも減るんじゃないかな........ソレスタルビーイング(←GO
Wikipedia オススメ)も本当は必要ない。
ついでにもうひとつ最近気持ちワルいコト。
先日の日本シリーズで完全試合間際のピッチャーを優勝の為に安全策で交代させた監督がいる。
僕たち野球ファンは素
晴らしい試合が観たいのだ。勝たなければプロでないからなんて大義名分は聞きたくない。53年ぶりの優勝より年に1.2度しかない完全試合を、し
かも日本 シリーズで達成され る奇跡の感動が欲しかった。
なんたらファンドのオッサンが、 "金儲けして何が悪いんですか?" って言ったのを思い出した。
成果主義はいらない、っていうか我々は十分がんばってる、それより浪漫こそが今の我々には必要なのだ。それが本質的エンターテイメントではない
か。反骨の 監督だっただけに彼の判断は残念だ。
僕も若かりし頃から社会に対して反骨の塊だった(今も)。正論で本質を見極めてここまで生きてこれた。それはこの歪んだ世の中が少しでも改善され
てみんな が夢や希望をもってハッピーになれたら、という思いからだった。
パンクだったしロックンロールだった。
しかし、これだけ勝手に壊れて退屈になって本 質のない腐った世の中に
なってしまった今、僕は誰を相手に戦えばいいか...........とあきれるばかり。
★2007.5.31
sevenstars
でも少し触れたが、今のヒトたちはこじんまりまとまりすぎて退屈すぎる。枠からはみ出たヤツがいるから世の中変わるのだ。
自然に崩れた今の世の中と志士た ちが壊した幕末の世の中とでは、意味合いが少し違う。
幕末のあのパワーはまさにパンクだ。僕は生まれてくる時代を間違ったようだ.......ふぅ
最後に。
先週、僕が帰り道に立ち寄るバーで、たまに一緒になる常連の酔っぱらいが、またひとり逝った。
彼はいつもへべれけで酒飲みのカガミみたいなヒトだった。彼なりの苦しみがあったのだろうが微塵も見せずいつもへべれけだった。みんなに厄介者の
ようにさ れていたが愛されていた、僕も彼が好きだった。酒場にどんどん酔っぱらいがいなくなる。寂しくなる。
真面目さは確かに美徳かもしれない。しかし、ひょっとしたらみっともなくへべれけになれるのは、人間としてもっと美徳なんじゃないかと思う。枠か
らはみ出 したヤツこそ 今 の世の中に必要なんだろう。
冥福を祈る アナタハヨクヤッタ
もっと酒を呑め! もっと酔っぱらえ! もっと馬鹿になれ! ................
それでいい
今日アウトローは、8シーズン目がスタートする。7人の弁護士みたいにいいものを創りたい。
ドラマは今日もカウンターのうえにある............................そう、本質はいつもここにあるのだ。
7th thanx