★2015.5.9   rock'n roll show はもう終わりだ


  「だけど明日はきっといいコトあると信じてたいの」

  30年前、僕の青春を支えてくれたバンド レベッカが、"maybe tomorrow" という楽曲で そう唄った。
  この歌がホントに僕の人生の支えだった。どんなにツラくとも明日を信じて歩き続けよう、そ ういう憶いでココまで生きてきた。曲の最後のドラムとパーカッションのセッションに希望を観ていた。
  レベッカの20年ぶりの再結成は個人的には楽しみだが正直ノスタルジィの域でしかないし当然ビジネスなのだとも思う。
  どんな事情であれ行動するコ トの重要性である。評価や意義は演る側と観る側がそれぞれで決定すればいい。
  この1年数ヶ月、毎日店を閉める時に、"maybe tomorrow" を口ずさみ「明日」を信じた。でも「明日」は「ツラい今日」の繰り返しだった。そして、僕は決断した。


  さて「明日」といえば、大阪ではあと数日で住民投票が行われる。所謂「大阪都構想」の是非を問うものだ。
  4月の統一地方選挙の頃ヒマだったので、投票の材料としてネットにでている候補者と党の政策をそれぞれ見て、この数日はいくつかのタウンミーティングと演 説も立ち合った。そして、わかったのは彼らの政治哲学のなさだ。

   僕のタチイチは、小さな国家(政府,行政)でそれを補完できる大きな社会が在るのが好ましいと思っていて、そのためのインセンティヴとして、道州 制、ベー シックインカム、ビットコイン、クラウドファウンディングなどを支持している自称"ほぼリベ"なので、正直、「大阪都構想」では中途半端すぎると 思っている。それに 維新の党の政治哲学も些かキツいとカンジている。
   しかしながら、自民,公明,民主,共産,その他の主張をじっくり観たんだけど大阪が良くなる政策がほとんどない。維新と似ているもしくは短絡的に 都構想反対というだけだ。
   僕は一応経営者なので言うけど、こんだけ負債抱えてもやっていけるってありえない、まだ借り入れができるって思えるのってスゴい.......っ つうか阿呆。
   ウチの店ならもうすでに閉店倒産だし誰もカネなんて貸してくれるハズもない。あんなバランスシートありえない。
   大阪府市はすで破綻している。(大阪府は格差があるので潤ってる市は破綻しているとは思っていない、オモシロいコトに反対派は現状なんらかの枠の 中にいる、僕からすると反対の理由は利権の保守にしかみえない)

  僕らがシンドいのが嫌だから子どもたち世代にツケを回しているだけだ。
  子どもたち世代の負担は国、府、市とそれぞれがどんどん増えている。
  なのに親世代が、何々のために弱者のためにアレを削るなアレをやめるなって......大阪府市民も議員たちもキレイゴトばっか言って結局自分た ちのコトしか考えてない。それは現世代利権なのだ。挙げ句、地名を残せとか頓珍漢すぎる......破綻したら地名も残らんのにね。
   こんな大阪、行政としては市どころか府もいらない。
   多分子どもに借金してる感覚ないんだろう。僕らが不便でも苦労し倍頑張りゃええのにね。我々の子どもの世代は今以上に行政サーヴィスの低下に 加え増税で年金だって薄いのだ。僕らの時代でなんとかケツ拭かなきゃ。

   故に、維新対他党(都構想対反対派)の2項対立は選挙だからといっても稚拙だし、維新以外の党が維新以上のヴィジョンを観せてくれないのは怠慢だ と思う。都構想以上の案を出して欲しかった。
  現に、自民の道州制を見越した哲学や民主の関西広域連合の活用みたいな哲学もあるようで、僕個人はそれらには非常に賛同できるのだ。が、自民は「地方創 生」国政頼み、民主 はアノミーで、対案にすらならない。もっと智慧を観せて欲しい。
  反◯◯派のヒトたちは、何でもかんでも反対で対案がない。対案を出せと言ったら反意が全てだから対案などないと言う、なんせ譲るコトなく絶対反対としか言 わない。対案を出せ というのは圧力だ、とまで言い切る。思考停止あまちゃんもいいトコだ。

  今回の大阪の住民投票も賛成か反対 かなんて住民を分断するだけのモンで、ホントは都構想と別案の2者択一にすべきなのだ。勝った側は敗れた側の得票数を見ながら敗れた側の意見を少しで も取り入れると いうのが健全な民主主義で、勝つか負けるか死ぬか生きるかではない。
  そういう面で、維新も反対派も住民にロードマップを示していない。

   いい大人が感情論ばかりで思考停止しているのはホント残念だ。橋下氏がキライなのは理解できるが2項対立では意味がない。これは、AIIBの件も TPPも現韓国政府の対日外交もそうだが、「明日」は、all or nothing ではないのだ。
   そもそも維新以外の党は公明以外最初から反対で真剣に議論すら参加してなかった。議論すればどこかにオトシドコロがあったハズだ。だって、今回の維新 の案はコトを急くばかりの突貫案で成熟していない。自民や公明は立場的に案を一緒に練るコトが可能だったのだ。議論に参加もせず、埒が開かないの に業を煮やしたガキ大将の橋下氏が強引にコトを進めたからじゃあ何が何でも反対って、子どもの喧嘩やん。住民のコトは考えていない。ガキ大将相手 に大人の対応はできなかったのか。

  何度もいうが、僕は道州制支持なので「都構想」は中途半端で反対だ。しかし「明日」のない保守の反対派には一切賛同しない。それよりとりあえず行動し壊 して無茶苦茶になる方がマシだ。


  僕はどんな状況になっても大阪がなくなるコトはないと思う。
  僕の知る大阪人はそんな弱くない。
  保守っぽい言い草かも知れんが、何かを削られても何がなくなってもみんなで助け合えると思う。それが、本来の協働で、大阪市利権を守るのは協働ではない。
  僕は仕組みとしての大阪は腐っていても文化としての大阪を信じている。
  なので、とりあえず今、利権(と思ってないからタチが悪い、ムカつくのは利権者が一般住民の不安を煽って反対を促すやり方だ)持ってるヒトには悪いが一旦 全部やめてしまえばいいと思う。
  壊してからは、もう利権でもなんでもいいからみんなでまた創ればいいじゃん。
  橋下氏的なヒトが壊して平松氏的なヒトが協働とかいって創り直したって別にいい。
  なんせ子どもに押し付けるのはやめようよ。別に維新だけがやらなくてもみんなでやればいいじゃん、ねぇ。
  とにかく8年前の大阪に戻るなんて智慧がない。
  行政は、住民に金返す努力しろ。このまま僕らの子どもに金を借り続けるな、搾取するな。
  反対派はその解決策を提示しない限りいくら反対したって僕らはハッピーにならない。反対派の好き嫌いはどうでもいいからヴィジョンをくれ。「明日」を。


  余談だが、この10年僕は明治維新の功績を疑っている。
  確かに明治維新は無血とまではいわぬとも流血の極端に少ない革命だった。維新政府樹立のおかげで当時の帝国主義的先進国の列強に飲み込まれずに済んだのか もしれない。しかし、松蔭ら長州勢のテロルや薩摩の粛清的傾向、新撰組や安政の大獄などの権力による弾圧など現代においては犯罪行為もたくさん あった。
  そもそも弱体化していた徳川を壊す必要があったのか?勢いでできた明治政府は利権を生み利権のバランスの失墜で戦争に向かった。
  僕は司馬史観的坂本龍馬に憧れて社会の歪みと闘ってきたが、今は彼は僕の特別なヒーローではない。彼はただのお気楽エゴイストでしかなかった。歴史という のは見方で 変わる。明治維新の功罪もなんだったらアドルフヒトラーの功罪ももっとしっかり観ないといけないのかもしれない。
  あの時代、あの方法論以外誰もオトシドコロをクリエイトできなかったのも事実で、結果が戦争に向かったという点では実は方法論は間違っていたのかもしれな いのだが、龍馬や晋作やあの20代を中心とした若い情熱と命がけの行動は素晴らしいエネルギーだし、今の時代に足らないのはあのスピリッツかもし れ ない。
「都構想」反対派は幕府という見立てに「維新」というのはハマりすぎだ。しかし、維新にも僕は懐疑的だという話。もっと歴史から学べばいい。もっ と智慧 がいるよ。


  さて、今回の住民投票で非常に残念にカンジているコトがもうひとつある。
  それは、大阪のクリエイターたちの思考停止だ。
  僕は残念なコトにクリエイティヴな才能がない。しかし、人生はアートだと考えているので少なからず表現をだいじにしてきたつもりだ。いろんな国を周ってい ろんな表現に接してきた。そして、常々カンジているのが大阪の(日本は大阪と東京しか知らないので)クリエイターのエゴだ。幸か不幸かアウトロー にはその業界で評価されているクリエイターがたくさんいらっしゃる。どの方も人間として素晴らしく仕事のできそうな方ばかりだし実際結構稼いでお られそうだ。でも、みなクール過ぎやしないか?

  余談ながら、大阪を高いトコロから眺めると他の都市にはあまりない風景に失望する。統一感のなさだ。
  東に山 北に山 西に湾 キタのビル群 まではいい、こっちにWTC あっちにりんくうのビル あんなトコにドーム こんなトコにハルカス あとはポツンポツンとでっかく品のないタワーマンション、そして道路には汚い植え込みとストリートごとに違う街路樹、八百八橋の河の上には高速道 路......大阪には都市計画がない。
  大抵の都市にはダウンタウンがあってその周りに住宅街が広がる。歴史ある街でも旧市街地があり新しい街が ある。
  つまり都市設計を哲学なき政治家やお役所仕事にするとこういうコトになる。東京ですら田園調布や代官山やそれぞれの街をクリエイ ターが入り込んでいる。大阪の建築家は街を創って きたのだろうか?カッコいい建てモン建てても隣と調和してなかったり........それが大 阪らしいというヒトもいるが恥を知れ。
  安藤某は立派な理念や思想をお持ちで大阪府市の行政にも入り込んでおられるが、僕は彼が街にそぐわないカッコいいポストモダン風のモン建てたり川辺に桜を 植えたりする以外知らない。行政にコミットしたがるクリエイターが多いのは非常にいいコトだと思う。でもそれはエゴで思い込みの正義の場合が多い ようにカンジる。

  そういえば、一昨年の春に天王寺区が無報酬でデザイナーを募集しプロのデザイナーから無報酬とは何事かと批判され中止となった事象はその後どうなったんだ ろう?
  (コトの顛末は端折る、調べてください) 知人が抗議していたので当時は何も言わないようにしていたのだが、結局今回の都構想反対の動きと似ている。時代を観ていない。
  勿論、一番いかんのは天王寺区だ。
  なぜなら、ああなるコトを予測できなかったからだ。
  僕は天王寺区の方法論は必ずしも間違ってはいないと思っている。書き 方や運営の問題だった。それにも増して批判され抗議されワークショップという名を借りて(あんなのワークショップの本義ではない)言い訳して中止したのは もっと問題で、それなら最初からやるな、になっちゃう。ウマく修正してやるべきだった。
  そして、問題はデザイナーたちの動向だ。行動自体そのものは素晴らしい。snsを使い拡散し署名を求めた。結果行政を翻した。今風でいい。だいじな行動 だ。
  ただ残念なコトに、感情論的でソコに大義はなく思い込みの正義しかなかった。業界に縛られたプロたちの保身.....それが見えない利権である可能性を否 定できまい。
  無報酬の仕事をしたら同業者に迷惑ですからダメですよと同業者に談合を求めた。プロは価値を高めるため報酬はモチヴェイションなのでそれは当然いいコトな のだけれど、若い芽は摘まれていく、よく あるプロからの搾取だ。パイは実力で奪い取れとさ。
  業界の価値の保守などちゃんちゃら可笑しい。価値なんて自由でいい。クリエイターが自由を否定するなんて........まぁそもそもクリエイターがオカ ミと一緒に、ってトコからなぁ.......


  例えば、僕のオリジナルカクテルを好きなヒトが、家でも作って呑めますか?と聞かれたら僕は喜んで作り方を教えてあげる。
  みんな(クリエイターも)結構平気でレシピやら内容 聞くよね。なんだったら写真撮るよね。全部その部分に於いては僕らは無報酬ですよ。価格は原材料と固定費と粗利なので著作料(?)も肖像権料も含まれてま せん。まぁ、残念ながら調理のレシピは権利が発生しないルールなので(これも飲食の地位の低さ)元々作品とは思われてない。
  まぁね、そのヒトがお酒を楽しく呑むライフスタイルを構築してもらえたならそれがバーにもいいコトだしいつか利益にもなるという話です。別に安モンのバー がた くさんできたって構わない。自由だ。それで食ってけなくなるならそれはエンドユーザーやクライアントをインセンティヴできなかった自分たちの責任 だ。......つまり、今の僕だ、とほほ。
  飲食業なんて常にそんなコトおこっとるわ。抗うより対処ですよ。


  さて、天王寺区。
  僕はその後を知らないが、当初の主旨通り「デザインの力で行政を変える」ためプロもアマも様々なデザイナーが天王寺区で活躍してるコトを 願います。
  もし、仮にその後、天王寺区が特定のデザイナーとしか話をしてなければ、後進のチャンスを奪ったコトになるどころか、犯罪に近い話になりますな。

  .......っつうか、天王寺区規模の行政はいらんな。あ、町会的には必要です。重要なのは地域コミュニティとそこで催される「祭り」だけです。天王寺 区規模で予算つけて街づくりされてもなぁ。

  そもそも、この時代にプロやらアマやらもどうかやし、フリービジネスの時代にJASRACみたいに著作権や業界の価値やもどうかと思うよ。そんなのって、 大 阪市なくすな、ってのと 結局同義なんですよ。
  いろんな仕組みが流動的社会に壊されちゃってカンタンに金儲けできない大変な時代ですが、ちゃんとしとけば価値は生まれるしその方が健全な社会だと思う よ。報酬なんて価値ではなく本人のモチヴェイションでしかないというコトをええ加減わからんと。
  だって、ほら、CD売れなくなってアーティストは大変だけどライブが活発になってファンもアーティストもハッピーじゃん。これこそ音楽、でしょう。
  ジョブズは「明日」を観ていたんだよねぇ。


  「都構想」に話を戻す。
  こんだけ行政にコミットするクリエイターが多いのになぜクリエイターは「都構想」賛成、維新支持が多いのだろう?僕からすると「都構想」や維新は必ずしも クリエイ ティヴではなく手当でしかない。革命にも少し足らない。
  維新にも自民にも公明にも民主にも共産にも創れていない「大阪像」ってのはクリエイター(特に建築家)にはないのだろうか?否、普段の言動から察するとあ るハズだ。
  不完全な案ばかりの今こそクリエイターが街を創る社会を豊かにするチャンスではないのか?これこそデザインの発信じゃないの?なぜ誰も発信しないのだろう か?クリエイターはみんな 企業なんかには入り込んでコンサルティング的なデレクションするの大好きだけどエラそうなコト言っといて結局カネのためだけなん?僕らをもっと豊かにして おくれよ。それは政治家の仕事ではない。他国を観ればわかる。他国のクリエイターはもっと哲学を教養として持ちもっと社会に世界に政治にコミット している。日本のクリエイターは絵を描くのがウマくて上からわかったようなモノいうだけの存在なん?
  僕は政治家たちもさるコトながら非常に大阪のクリエイターたちの人任せの無関心さ使命感のなさ哲学のなさ思考停止さに失望している。
  あっ、無報酬ではやりません、ってか..........とほほ。

  大阪って、こんなにタレントたくさんあるのにもったいないね。

  そういうワケで直前までは待ちますが、現状のままなら少しでも変化の可能性のある住民投票をするつもりでおります。



  それでは本題。
  性格的に何も言わずに去りたいトコだが礼儀は欠きたくないものだ。
  何を言っても言い訳になるコト承知で書くしかない。どう書いてもネガティヴな文章になるのでご勘弁を。

  思えば、この島町アウトローは何をやってもウマくいかなかった。
  先輩ふたりの事情は以前書いたのでもう何も言わない、この店のウリになるハズだった先輩担当のイヴェントが月単位週単位でできるハズが諸事情で1年で数本 という惨憺たる状況に なり、数名の外部の有志者の企画やワークショップやイヴェントやスクールがことごとくカタチにならなかった。
  キツかったのは昼喫茶営業をやろうとしてくれていた方がやる何日か前にドタキャンした時で、少なからずダメージがあった。
  人というのはいかにリスクが少なくなくても怖くなったり未開だったりすると「言い訳して逃げ出す」モンだと痛感した。そしてその後のフォロもしてはくれな い。なかったコトにするかいつかやろうと思うというだけ。
  とりあえずやればいいのにね。なんせホント行動が伴わない。有言不実行。
  みな言い訳は反論できないくらい立派でしたが.......いやぁイロイロあるモンだねぇ(ワシもっとあるわいっ)。事情があれば言ったコトはやらなくて いいというあまちゃんたち。あ、いつかやるそうですよ。否、そんなヤツは一 生何 もしない。
  まぁ、やらなかったヒトたちをこうして嫌味こそいうが恨むコトはない。
  だって全てそんな絵空事を信じて待ち続けたワタクシの不徳の致すトコロでございます。

  余談ですが、この10年、アウトローのコラム等で感化された方が少なからずおられるみたいだが行動の伴った方はほとんどいなかった。
  現に僕に出会ってから知識や情報は たくさん得ただろうけどアナタの環境は変わりましたか?変わってないですよね、だってアナタ変化が怖いんでしょうから。
  僕に出会ったコトで気づかんでいいコトに気づき 焦ってたヒトもおられるし僕みたく攻撃的になったヒトもいたみたいで、その点は僕の問題ではないものの申し訳なく思う。
  でも気づいて良かったね。 あとは行動だ よ。僕のせいで頭でっかちで逆に社会悪になりがちなのでまずは飛び込むコトです。ま、僕みたく失敗ばかりかもしれないけど、僕は僕でハッピーだから どんなチャレンジも 大丈夫だと思いま すよ。

  そんなこんなで孤軍奮闘と相成ったがバー文化の衰退も相まってどんどん酷い店になってしまった。料理ありきからスタートしてしまったからかもはやバーです らなくなっていた。喫茶軽食アウトロー......
  言い訳ながら言っておくと店自体は前店舗より良い店ができたと自負はしている。実際、飲食部門は緩やかながら順調だったしすべてが当初の企画通り進んでい ると結構な利益も得られた自信はある。.........ま、やらなきゃ何もないってか。

  なので、シェフが辞めてしまってからが一番苦しかった。
  島町アウトローの経営の一番の失敗はあのタイミングで新しいシェフを雇わなかったコトに尽きる。若いバーテンダーをバイトで雇い料理は僕がすればいいとい うナメた考えがあった。 別に飲食をナメていたワケではなくコストカットと若手育成と料理人の我儘に付き合いたくないという逃げとで基本ひとりでやってやるわいっ、という「甘さ」 のコトだ。
  結果、バイトは続かず、料理を諦めるコトにしたため売り上げは半減(1/3だな)した。
  バー形態に戻したので細々とやってはいけたがバーとしては中途半端になって酷い店になってしまった。今は料理人を雇えばよかったと 後悔している。
  ハードは成熟したがソフトは地に堕ちた。

  数年前より、口コミサイトで点数をつけて店を比べ行きつけを持たない文化、家呑みで安くあげミウチだけで安心して呑む文化、バールの隆盛で食べながら呑む 文化に拠るバー文化の衰退をカ ンジ てた僕は島町アウトローでイヴェント等でライフスタイルにコミットして地域コミュニティを構築していき最後にもう一度バーの素晴らしさを確認してもらえれ ばと今回はじめたが、チカラ及ばず、現状、前店舗の末期より酷く、情弱で発信力のないおひとりさまがため息(なんだったら寝息って......) をつ くだ けのタイクツな店になった。
  こんな店は続けてはダメだ、そう感じる日々だった。 こうして、僕自身のモチヴェーションは完全に失われた。


  いやぁ、この1年数か月はホントにキツかった。
  現店舗をひとりでやり繰りするのは掃除から何から結構タイヘンでやるコトも光熱費等コストも多くかかった。なので苦肉の策で移転しようと金融機関を回った が現状半分 も現店舗の返済ができていないため20件以上あたったがまったく相手にされずコケにされ(ホント酷かった)、見つかって契約寸前までいってた物件も前テナ ントが出て いかないでポシャりで八方塞がり。
  移転資金をためようと紹介で昼の配送のバイトなどをあれこれやったが低調な売り上げの足しにしかならなかった。


  何より堪えたのはちょうど昨年の今頃 母の癌が見つかったコトだ。ステージⅣだった。
  そのうえ、僕の右耳が聞こえなくなった。(精神的なモンだったみたいで今は回復)
  平日バイトしながら週何日か看病しながら自分も医者に通いながら金融機関にコケにされながら娘にデブと馬鹿にされ ながらたまに派手に遊びながら、遊び人のいなくなったバーカウンターの前に「私」を捨てて立ち続け、情弱でタイクツなあまちゃんたちのネガティヴな話を笑 顔で 聞きポジティヴ な 話に変え続けた。まぁみんなタイヘンなんだろうけどね......ワシもっとタイヘンやったけど........


  昨年10月ごろのことだったか、今回のアウトローで定期的にワークショップする予定でその期待を見事に裏切ったNクンが、他店での開催となり自身の転勤も 重な りしかも母上が認 知症になり看病もタイヘンというコトで時間がつかず中止になっていたライヴイヴェントを、僕が有言不実行を糞だとtwitterで言ったのを気に してとってつけたように急ごしらえなイヴェントを深夜にしてくれたコトがあった。
  僕はちょうど心身ともに疲れていた時で何もしないヤツらにイラ 立っていた時でもあったが、彼は少なからず僕をリスペクトし恩を返そうと頑張ってくれたのには感動し、同じように苦境にいた同志として救われた(僕 のコトは彼には話してないが)。
  彼のおかげでツラかったその後数ヶ月を乗り切れた。彼自身の苦しみは今も続いているだろうが僕は彼の行動に感謝し 逆にお返しのつもりでこれからも最大限 バックアップしていこうと思う。これがバーの一期一会なんだ。




  そして昨晩秋、母が死に 僕はからっぽになった。嗚呼もう潮時だと思った。
  アウトローは役割を終える時がきた。(まぁすでに必要とはされていなかったね.......賞味期限切れ。今年に入って20回以上のご来店の方はほぼいな いもんねぇ)



  なので、僕はもうバー文化をどうにかしようという大義を下ろすコトにしました。信じてくれた方々には申し訳ない。
  人生3度目の挫折です。

  勿論、僕個人のバーに対する憶いはこれからも変わるコトはありません。
  僕は自分がバーで酒を呑むに値しないとカンジる時が来るまでバーで格好をつけるで しょう。
  大義あるアウトローは終わりますがその分気楽にはなるので僕は僕で楽しく呑り続けます。
  ただ、アナタたちに何かを提供しようというのはもうやめます。
  後進たちにその責務は委ねます、彼らに僕の知るバー文化を継承してもらえたらと思っています。


  島町アウトローの閉店日は未定です。5月下旬には閉める予定です。
  尚、僕の今後の話はお店ではしません。聞かないでください。
  人間不信のままではいけないでしょうから、とりあえずはまたマチルダと旅にでる予定です。僕は本来、根をおろして1箇所に居るコトが苦手なのかもしれませ ん。旅人です。なんせ今は新しい旅に興奮しております。

  僕は相変わらず「明日」をいい日にするよう歩き続けます。そして、今後はごく周りのヒトとハッピーに生きてく所存です。
  あと、このHPもsns等web全般も現顧客様とはお別れします。
  トモダチではありませんのでみなさんとのリアルなお付き合いもたぶんしません。なので、 どっかのコンビニとかで働いてるのを見かけても声かけないでね。ただし、公園で寝てるようなら助けてね。

  それが、飲食店の終わりというコトです。

  rock'n roll show はもう終わりだ  (baby a go go より)

 
  皆様にはホントにお世話になりました。14年半ありがとうございました。
  僕のわがままにおつきあいくださりホントにありがとうございました。
  あと数日は嫌々がんばりまーす。
  あ、たくさん借金残りますので餞別はキャッシュでヨロシク。(移転費用くらい集まらんかなぁ.....無理かっ)
「明日」はいいコトあると信じましょう。maybe tomorrow..........


  to say goodbye is to die a little.     (the long goodbye より)


  では、バイなら。
 


ホントに今までありがとうございましたっ













忌野清志郎の命日に書き上げたが私用で忙しくってアップが遅くなってしまった.......
清志郎の魂は今後も継承します
ろっけんろうるっ

2015.5.2に
keep my faith
 hiro.




























諸行無常