★2005.1.10  マイルスデイヴィスの魂、24的判断力焼肉エロチシズムと長 距離ランナーが走りつづける

 午前2時、静寂の闇の中で独りソファに座り溜め息をつく、冷蔵庫の扉を開けると世界がオレンジ色に染まる、乾燥した空気からか海洋深層水の2リットルの ペットボトルを一気に呑み干すが喉の渇きは癒えない、オレンジの中でワインにしようかビールにしようか考えてはみたが結局面倒くさくなって缶を手 に取る、それはジャックバウアーの思慮深い行動とはほど遠くそこには怠惰と諦めしか存在しない、ケーブルテレビにはニンゲンの業と俗、赤い戦渦の 次は裸の女その次はラグビーと、混乱した頭の中に吐き気のするヴィヂュアルだけが突き刺さる、無意味だ。
 音楽チャンネルの音を消して久々にアンプのスウィッチを入れる、アラウンドザミッドナイトである、不思議とラップしてると思われるクロとマッチ する、彼は王道を恐れず変革していった、賛否両論あるものの結果が全てだ、魂はヴァップもヒップホップも変わらない、要はどう時代を超えるかで単 に表現でない彼自身の変革が全てを伝え続ける、午前3時、アラウンドザミッドナイトでありカインダブルーでありヴァップな時間。

 街から姿を消して久しい人々が時として再び帰り咲くことがある、僕がこの仕事をしていてよかったと思う瞬間のひとつである、彼等はけして立ち止 まらなかったのだ、『やっとここまで辿り着いた...』そうつぶやくアウトローに何かを置き忘れた人々。
 ターニングポイントであることを光栄に思う、アウトローもただ単に表現するために存在するのではないし白のカンバスに絵を描くのはバーテンダー ではない、他の人と酒を呑む為のルールこそあるがアウトロー自体に主義や主張などない、好きな時に好きな色の絵を描けばいい、網にいろんな部位を 焼いて食べる焼肉と同じで部位を想像するようにやればいい、イマジン、そうやって少しづつ変革する、マイルスデイヴィスのように......

 午前4時、ケーブルの緑色のマットの上のプロレスは決着が着かない、窓を開け4本目の缶を開けても空はまだ藍色の闇で寒気が息を凍らせる、かす かに花粉を感じる、この寒さを乗り越えるとまた春が来るのだ、僕も立ち止まらず今年も走り、そして転がり続けるしかないようだ。
 


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