★2005.3.31 春
さて、久々に書く。
ふと気が付けばいつのまにか今年も1/4が過ぎ、このページもいつのまにか1年が経ち、いつのまにかドラえもんの声も変わってた。
僕は普段なるべく好き嫌いしないよう質素に心掛けている(?)が、どうしても好きになれないものがいくつかある。それは、お見舞いに行った病院
の食堂で食べる昼飯だったり、メッセージも愛もない商業的な音楽やデザインだったり、駅や空港の虚無にさせられる雰囲気だとか、カネの匂いのする
品のないヒトたちとか、アシのあるグラスで呑むワイン、「エッチ」という言葉の響き、30歳超のヒトの着るサブリナパンツやロールアップしたジー
ンズ、気遣いなく大声で話したりすぐに誹謗中傷したり噂話で終始するヒトたち、大阪のおばちゃんの商店街での自転車の乗り方とか、素材の味の邪魔
をする薬味だったり、情報誌を規範に動くヒト、不動産屋のダブルのスーツ、最近のヘアサロンの手の遅さ、酸っぱいコーヒー、午前中の地下鉄、子供
のいない公園、日本語で「コニチワア」と挨拶する外国人アーティスト......努めて好意的に考慮しても枚挙にいとまがない。そして何より
『春』がキライだ。理由としては、まず第一に僕が重度の花粉症であるコト、第二に店がとてもスローな時期なのに確定申告をしなければならないコ
ト、次に今まで春にあまり良いコトのあった記憶がないコト。勿論、春は食べ物も色々出てくるし僕の好きな木蓮も咲くし新しいコトが色々始まる非常
に明るい季節であるコトは認めるところだけれど......
そのうえ、今年は別れも多い。
2.3年前の倒産が相次いだ時も相当ツラかったが、今年もあの時と同様淋しい春だ。
しかしながら今回は喜ばしい別れでもある。今年、何人かの人々がこの街を去るが、彼等の行き先は、東京、台湾、アメリカ、カナダ、福岡など、そ
う、全て仕事のできるヒトの転勤である。二度とお会いできない方々もいらっしゃるだろうから淋しいし店的には相当のダメージではあるものの当店の
テーマが一期一会である限りこれはけして悪いコトではない、どちらかというとハッピーなコトなのだ。
アウトローな一期一会。
出会いがあれば別れも必ず訪れる。例えば今日当店を訪れた方がゆっくりと当店を堪能していただき扉を開けてお帰りになったらもう二度とお会いで
きないかもしれない、だから「ジョウレン」という日常の連鎖で怠惰に慣習化するよりも、一回一回を精一杯楽しくやろう、その一瞬を大切にしよう、
一回一回が『初めまして』で一回一回が『さようなら』、そんな刹那な考え方だけれど、実は築き上げた『縁』というのはそう簡単に切れるモノではな
いんだというコト、だからバーアウトローは皆さんが当店の必要性を失わない限り、いつでもドアを開けて待ってます。
なぜなら、ここはアウトローたちのための場所だからです。(金八先生みたい)
旅立つアウトローたちの健闘を祈ります。
そして、新しいアウトローたちがまたやってくるだろう。
まあ何にせよ、毎年そんな春に、もひとつ馴染めない僕がいるんだよなあ..........