★2005.7.17 タブー ("善と悪" 後編)
少し堅い話が続く。
僕がまだ駆け出しの頃ある先輩に、ヒトにはいろいろとあるので、バーで政治、宗教、ごくプライベートな話題なんかはタブーだよ、と言われたコト
がある。確かに酒場でその手の話をすると嫌な思いをするコトが多い、下手するとケンカにもなりかねない。だから、当店でもその手の話はなるべく避
けるようにしてはいるものの、そんな話のお好きな方は意外と多い。それに、やはり会話を盛り上げようとするとその辺のギリギリさというのはスパイ
スとして必要だ、タブーっていう定義は結構難しいものなのだ。
前回、あえてそのタブーに抵触したところ思わぬほどたくさんの反響をいただいた、今回それらのご意見に何ら賛同も反論もしない、なぜならここに
書かれている文章は僕の個人的なボヤキでただのひとりごとだからだ、評価は甘んじて受けるが、できるなら読んだ感想はお店でそんな話題がでるまで
皆さんの胸の内にしまっておいて欲しい、僕はこのページから何も発信しているつもりはない。(それが一期一会の粋さだと思うんだけ
どなあ.........) それと、失礼ながら件でのメールのやりとりも今後ご遠慮させていただきます、このホームページは単にお店への導入で
あって仮想店舗ではない、このページを開始してから(他国で御覧の方を除いては)メールでお見かけするほうが多い方が増えてしまった、バーとして
は残念で淋しいコトである。
僕は毒を噴くバーテンダーなのでよくヒトのイタイところをついて嫌われる、これもタブーと言えばタブーである。先日、デザイナーのM君(31歳
独身)に言われた、マスターは正論で理詰めするからかしこいヒトとかプライドの高いヒトに嫌われやすい、のだそうだ、なるほど、っちゅうことは僕
を嫌いなヒトはかしこくてプライドが高いヒトなのだな、フムフム、っちゅうことは僕を好きな人はバカで自我の薄いヒトなのだな、フムフム、タブー
だったとしてもどっちだっていいや、同じことだ、ダカラワタシハキラワレル。
僕があまり自他共のプライベートな話をしないのでクールだと見てくださっている方がいらっしゃる、が、けしてタブーにしているわけではない、ヒ
トのプライベートにあまり興味が湧かないのと、自分のプライベートなコトなんて誰も興味がないだろうと思うからだ、聞かれたら答える、くらいでい
いと思う。あえてこちらから話す必要もないし、隠す必要もない。
だって、僕には薬剤師の妻がいて2人のかわいいかわいいホントにかわいい愛娘がいてマンションのローンがあと28年くらい残ってて胃腸の調子が
悪くて医者に痩せろと言われ毎日ジムに通ってて借金総額が4千万円くらいあります(実話)、なんて誰が聞きたい?
バーは現実の中の非現実。いろいろな思いを持っていろいろな人々がやってくる、日々退屈なヒト、いいコトのあったヒト、いけない関係のヒトた
ち、悲しいヒト、酒好きのヒト、それぞれのニーズは様々である。バーとしてはそれらを素敵に演出しなければならない、だからプライベートはけして
タブーではないがヒトが思うほど重要ではないだけだ、プライベートなんてそんなもんだ。
タブーも前回の "善と悪" の中にある。ヒトの中には "善と悪" が混在するのだ、だから単に "善と悪"
を区別するのではなく、全てを包括してヒトにやさしくすることが大事だし気持ち良くライフスタイルを構築したいし、して欲しい、アウトローはそのお手伝い
をしたい。くだらないタブーなんてバーにはない方がよい、ただ誰かに嫌な思いをさせたり迷惑をかけたりするのなら言わないでいいコトは言わない、
それだけでいい。