裕之のひとりごと 2008.11.8
★2008.11.8
bad boy blues (友よ 私の言葉を信じるな op14-7)
先日、bar outlaws'71
は、ひとつの役割を終えました。
8年のご愛顧 まことにありがとうございました。
他に類を見ないバースタイルや雰囲気などを信じ且つご支持くださった数少ないアウトロー愛好者の皆様の思いを裏切り、またその方々の思い出や
居場所をなく して しまうのは大変心苦しい、ここにお詫び申し上げます。ごめんなさい。
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だからと言って今すぐ閉める事はできないのがオトナの事情で.....................ははは.........なので、当面は
少し形を 変えてやっていきます。
さて、この結論に至るまでいろいろありまして.........愚痴と言うか言い訳と言うか(ま、一番の理由はこの不景気で秋口から急に売上がス
ローダウ ンしたコト なのだが)............では今回も一席お付き合い願い候。
先月このコラムにあるお便りをいただいた。以下要約文。
..........コラム楽しみにしています(中略)こちらのコラムで私の人生の価値観が変わりました(中 略)ア
ウトローというバーは私にとって思い出の詰まった大切なスペースです、他にはありません.........云々........
ありがとうございます。
僕はこのコラムでみなさんの人生に少しでも何か提案できたら、と思って今まで身を削る思いで書いてきました。多くは僕自身への鼓舞であっ
たかとも思います、なぜなら文章と言うのは表現だけではなく自己変革である
べきだか らです。
ただ、以前も同じ方に言われたコトがあるのですが、仮想店舗、としてこのコラムを読まれるのはいささか不本意でもあります。
じゃぁ書くなよ、って言われるかもしれませんが、実はこのホームページは弊店のお客様及び僕のプライベートな友人たちで海外在住の方々との重要な
コミュニ ケー ションの場所でもあります、本来の意味での仮想店舗です。(嗚呼、ネット社会ってメンドくさいな)
因みに、先ほどのお便りの方は日本におられますがもう数ヶ月お会いしておりません(毎回、そんな話させってもらってますよねぇ.......)、
どれだけ 大事に思われても
来てもらえないと店は存続できないです(パソコンのソフトも同じですな、コピーや消費はあきまへんな)、それに僕はアナタのトモダチではないので
アウト ローがなくなると2度とお会いす る
コトはないでしょう、あ、それでもいいのかもな、所詮バーだものね、そう言えば昔天満橋になんかたまにエエコト言うオッサンおったなぁ、ってなも
んかな、 まぁ.......僕の 力不足、店
の魅力のなさなのだと反省しておりますが........................かなし。
なんせ最近ホームページのアクセス数より一日の入客数の方が少ない日が増えててヘコみます。営業に聞こえるかも
知れないけれど、大事だと思ってもらえるならビール一杯だけでもいいから一日でも多く来て欲しかったんですよ、アナタに。
今までならみなさんがどんな店でも "行きつけ"
を見つけてくれてハッピーならそれでもいいと思ってたのですが、あまりにもこのページに対して閲覧数やメールなどが多い割にその方々にお会いもで
きないの で、ホームページにお ける仮想店舗の "行きつけ" は勘弁願いたいと、敢えてみなさんに伝えておきます。
まぁ、次回リアルにご来店いただいてもアウトローはもうアナタの思っているものではなくなっているかもしれませ ん
が..........残念。
この春からアウトローは若者たちが増えていてコヤジの僕は悪戦苦闘していた。なるべく若い世代にバーの良さを伝えようとしたが現実はあまりウマく
はいって ない、 僕も年をとってきたんだと痛感する、賞味期限の切れたバーテンダーは説教臭くなっていかんわ。
象徴的な出来事が先日あった。
急に寒くなったある日早い時間、初めて来店なさったカップルが席についてお酒がでて5分した頃、ipodをとりだし2人で音楽を聴き始めなさっ
た、僕は他 にお客様
もいらっしゃらないしすぐおやめになるだろうと思い店の音楽の音量を下げて差し上げた、やはりヒマな店はいけない、ほかにお客様のいないスローな
弊店で1 時間半そのカップルはipodを聴き続けた、おかわりのオーダーもなかった、僕 は現 代社会でのバーの限界を感じた。
僕はどうすればよかったのだろう.......ipodを店のアンプにつないで一緒に聴けばよかったのか、それとも、注意を促したらよかったのか
(勿論他
にお客様がいらっしゃったら注意したろう)、まだ携帯電話の画面を何十分もずうっと見続ける失礼なヒト(ふうっ........)などカワイイも
のだと 思った。
僕は彼らにバー文化の楽しさや重要性を伝えられるだろうか?
ムリにやろうとするから説教臭くなってしまうんかもな、ハァ、まいった。
いつも言うが、これはカッコいいオトナたちがいなくなってしまった弊害だ、若い衆は無知なだけだ。師匠と弟子、上司と部下、先輩と後輩、遊べるヒ
トと遊び を知らないヒト、そのような関係性でオトナが遊びを若い衆に伝えていないか
らだ。そして今やそれもバーテンダーの仕事になってきたのだ。
僕がこのバーを始めた8年前、夜の街にカッコいい酔っぱらいがまだ結構いて若い衆を連れ回していた。僕はそんな中で彼らが必要とする今までにない
やり方で 楽しみを提供しようとした、多分ある意味成功したのだろう、アウトローは "変わりモンだがなかなかやりよるバー"
くらいの評価はいただけたと思う。しかし、景気もなかなか上がってこずヘルシー志向で酒を嫌悪しネット依存の個人主義な世の中で、背中を見てつい
てこい、
なんて言ったってヒトから学べないんだから、変わったバーの本質を見抜いてやって粋にやるなんたぁ、若造どもはハナっから考えちゃぁいねぇ(エセ
江戸っ 子)。
アウトローはひとまず役目を終えた。
勝手でホントにすいませんが上記のコトゴトが、今まで弊店を支えてくださった方々の思い出も含めて全てを裏切る理由であります。
もうヒトを救うためにバーをやってるなんてそんなエラそうなコトは言いません、僕如きに誰も救えないコトを知りました。それとメールや閲覧ばかり
のリアル
に会えないヒトのコトを心配する商売的偽善も柄ではないのでやめます、阿呆らしい、ネット社会のコミュニケーションは知らず知らずに、自分を、一
期一会の 縁を、擦り減らしてるコトを解って欲しい。
僕の先輩でミナミでバーをやっておられるGのN氏が、俺ヒトが好きやねん、ヒトが好きやしオモロいコトしたいからバーやってんねん、と言ってるの
で(とい うかこの業界のヒトはみんなそう言う)、僕もずっと(約21年間)そうだと思っていた。
しかし最近気づいたのだが、僕は根本的にヒトが嫌いだ。
よく考えると僕はコミュニケーション下手で人見知りだしヒトに厳しいしヒトの言動にいちいちイライラするし一人っ子で協調性もあまりないし親から
愛情を受 けて育っていないしヒトを 受け入れるほどの寛容さもないのでヒトを好きになんてそもそもなる術を知らない。
では、何故バーなんてやってるのか?
それは、ヒトを理解したい、ヒトをハッピーにしてあげたいから、この2つしかない。嫌いだし別にトモダチじゃないからずっと一緒にいたくはないけ
ど縁あっ てお会いしたのだからせめて今のひと時を意味あるモノにしたい、楽しくやりたい、一期一会、それだけだ。
オモシロいコトに結局前述のN氏とヒトに対するプランやプレイスタイルやシステムは全く正反対なのになんと同じ方向を向いて同じゴールにシュート
している のだ、これが世の中の本質なのだろう。
というワケで、どうせヒトが嫌いで世の中が混沌でついていけないならいっそアウトローを壊してやろう、そしてまた創ってやろう、しかもいい加減に、と思ったのだ(エエカゲ ンではなく良い加減だ)。
だから、後述するが今までオープン当初からアウトローの運営はほとんど変化しなかったが、今回、料金体系から味や品質、サーヴィスに至るまで順次いい加減 に変えていこうと思います。僕は自分たちのエゴをきれ
いごとに置き換える偽善的飲食業者が増えているのに違和感を感じている、 実際僕もそう
なりかけていた、そら8年も同じ服着てたら服かてチビるわな。
これからのアウトローは今までの8年のきっちりしてきた土台を、時に自信に、時に壊して(否定ではないよ)、もっといい加減に何か新しいモンを探
していき たい。若い衆にバーがただの飲食店でないコトを伝えてやりたい。
それこそが、9年目からの我等アウトローの浪漫である。