山本裕之のひとりごと 2008.7.17 ★2008.7.17     (E)na


  ★2008.5.2 明日晴れるかな........ で、『国家とは何か?という問題は長くなるのでおいといて』、と書いたら、長くなってもいいから書いてとか、『右傾化』という言葉を使うと、ホン トは右な んですか?左なんですか?、と聞かれる、どうもみなさん勘違いしておられるようだが、僕はそんなに何かしっかりした主義主張のあるニンゲンではな いし、 ちょっとした酒場のネタに、本質を確認し自分を変革するために書いてる勝手コラムなのであまり僕の意見を人生の指標にしたりモノサシにしない方が いいです よ、もっと基準値になるべき素敵なオトナはアナタの周りにもいますよ、たぶん........ね。

  まぁ、国家論はどっかおいしいモン食べさせてくれたらそん時お答えするとして、右か左かは考えたコトがないので今考えてみよう。
  僕はほぼ毎日3紙以上の新聞を読んでいる。★2005.7.1善と悪でも少し触れたが、ほとんどの新聞などのメディアは偏っ た独自の主張を押しつけている、それが本質的ジャーナリズムと僕は思えないが現実だろう、観る側に資質がなければ彼らの主張に毒される、救済のな い宗教と 同じで何も疑わないので煽動されてしまう。メディアで報道される情報を自分の持っている情報などでフィルタリングして正論を見つけそこから本質を 導きださ ない限り真理などないのだ。

  話を戻そう、僕は★2008.2.22 go go happy dayでも書いた通り、今の世の中に絶望しぶっ壊したいと思っていた、固 定観念を捨て既成概念を壊そうとし てた、パンク である、というコトは左翼なんだろう。
  でも左派のヒトたちの中で僕が同調できるヒトは皆無に近い、日教組も朝日新聞もありとあらゆる組合も何たら委員会も何たら協会も、体制に立ち向 かったり新 しく改革し創造するといったそもそもの主旨は同調できるのだが、彼らが体系化しヒエラルキーを持った時点で体制側と何も変わらなくなってパンクで はなく なってしまっていてとても一緒には闘えない。大阪府知事と府庁職員の組合がいい例である、府知事の方が左で組合が右と逆に見えるのは滑稽だ、一昔 前の学生 運動もきっとそんなカンジだったろう。
  そんなワケで、彼らの言う(現在一般的に言う)左と僕の意味する左はちょっと違うようだ。

  尚且つ、僕は天皇制を素晴らしい日本の文化だと考えている、なので僕は右でもあるんだろう。日本が先の戦争でいかなる理由があったとしても近隣諸 国に迷惑 かけたコトは間違いない、なので他国の方々が日の丸や天皇制を嫌悪するのは理解できる、でも、左派のヒトたちが嫌悪するのは違和感をカンジる。冷 静に世界 の歴史を観ても、戦争と自国の文化は別に考えるのがスタンダードである、バランスは必要だが。

  自分の国の国旗や国歌をないがしろにする左派の方々も理解できない。
  もしどうしても先の戦争の責任をぶり返したいなら民主主義国なのだからちゃんと議論すればいいしカナダのように国旗も国歌も変える努力をすればい い、どん な過去があれ自分の国を愛せない教育を、何もわかっていない子供たちに一方的にするのは稚拙なやり方だし、民主主義への冒涜でもある。
  そもそも今他国が日本の戦争責任を問うているのは外交手段であって本質ではない、左派の方々は他国の外交に利用されて煽られているのだ、なぜなら 慰安婦問 題なども含めて金銭的な補償は他の敗戦国以上にしている(酷い話だが被害者にまで行き渡っていないだけだ、我々は国単位から先は内政干渉になるた め何も言 えない)、靖国問題も含め感情面は繊細で難しいトコロだが、幾度となく謝罪もしてきたし結構誠実にやってきたしいくつかの国とは友好関係は築いて きた。
  これ以上何ができるか自国を非難しかできない非建設的な左派の方々や他国の反日の方々にもお聞きしたいものだ、我々アジア人は今も尚憎み合ってい るのか? これからも憎み合いたいのか?コミュニケーションをウマくとって早く同じアジア人としてハッピーになりたいね。
  最後に君が代も、どうも他国の方々からは誤解があるようだがけして天皇陛下万歳の曲ではない、情緒のある質素な歌だ。ただ、僕個人としては、国旗 はいい が、君が代は国歌としては少し曲調が暗いので、宮沢和史氏の島唄を国家にすべきだと真剣に思っております。

  様々な問題があるにせよ、僕は日本という美しい四季のある国が好きだし先の戦争時以外の日本の歴史も誇れるものだと思っている。なので細かいトコ ロはとい うか古い体質を壊そうとするのは左派的傾向だが、トータルすればやや右寄りなのだろう。
  まぁ、大事なのは右か左かではなくどこに着地するかであるワケだが..............まさに、ジョンの魂。

  善と悪、右と左、理想と現実、好意と悪意、生と死、天国と地獄、出会いと別れ、戦争と平和、男性と女性、ネガとポジ、どれも真逆で対極にあるよう だが違 う、それぞれがそれぞれの中に含まれていて形を変えるものなのだ、(ゲイであったとしても)中道などホントはないのかもしれない、本質はそのもっ と奥にあ るのだ、よく見極めねば偏ったオトナにしかなれない。
  今回のコラムは、何を基準に本質をみるかを考えます。



  さて、若い衆からいただいた質問にいつもの如くお答えします。

ーみなさんスゴく楽しい話をしておられて、大人だなぁ、っていつも思うんですが、バーではどんな話をしたらいいんですか?

ー答えは......ない。できればみんなを(僕を)ハッピーにできる話をしてください。

  僕は、この質問の彼を非常に愛らしく思った。僕もバーに通い始めた頃、周りのヒトたちがスゴくオトナでカッコよくカンジたモンだ。彼が周りのオト ナたちの 会話に聞き耳をたてているのがいい、そうしてオトナの会話の間合いや話題の選択の仕方を覚えていくのだ(そういうバーでの導入を経験してない酒呑 みはひと りよがりな退屈な話をするヒトが多い)、そうして彼のまだ知り得ない活きた情報も手に入れていくのだ。
  確かに、カッコいいオトナが減ったのも事実だ、まぁ後で話すがこれが世の中ダメにしてんだよね。

  彼らのために会話について少しだけ注意点をあげておくと、
  まず、バーでは大声で話さない方がいい、いつも誰かに聞かれてるつもりで話すのがいい。それから、情報の少ない退屈なヒトたちによくあるのだが、 別のヒト たちの話題に便乗して自分たちも同じ話題にしたりするのもその別のヒトたちからすると不快だしカッコも悪い、無闇矢鱈と他のヒトの話に入ったりな どして場 の雰囲気を乱さないコトが大事。
  勿論、矢鱈と別のお客さんに話しかけるのも言語道断。
  もし楽しく話せそうならタイミングを見計らってバーテンダーが繋げてくれます(繋げてもらえないのはアナタの何かが問題だと思いますよ)、話して いる相手 が不快にならぬためにも礼儀が必要です、自分だけが楽しいってのはダメ、バーはいろんな思いの方々が集まっていて中には話したくないヒトもいるの です。あ と、他のお客さんのうわさ話やついさっきまでいたお客さんの話などソコにいないヒトの話はあまり好ましくない。
  それと、俺様話、俺のオカン話、病気話など自分なら聞きたくもないパーソナルな話、政治、宗教、人種問題、生々しいエッチな話などは極力さけた方 が無難で す。
  ただ★2005.7.17  タブー("善と悪" 後編)でも述べたが、遊びというのはギリギリが楽しいモンで........それらがタブーだからダメなので はなく不快に なる場合が多く、そうなると恥ずかしいしカッコ悪いというコトです。バーテンダーからは余程のコトがない限り、それは恥ずかしいからやめた方がい いよ、と は言えません、周りから嫌悪される前に自戒しましょう。
  うるさいコトを言ってるようですが、ちょっと気を使えば新しい世界を知れるのがバーの楽しさです、ヒマなオバちゃんの誰でもトモダチ的井戸端会議 にしない で、素敵な縁 (えにし)を紡ごうじゃないですか。オトナとして、紳士淑女として。



  先日、いつもご陽気な建築家のY氏が、バーでの会話の黄金比を教えてくれた。
  ネガティブ話 2 (シゴトや恋愛などの悩 み又はあ らゆる議論や雑学的蘊蓄1、政治経済などの世相話0.5、タブー話0.5)
:ポジティブ話 3
(ヴィヴィットな情報や恋愛や世相話 2.5、タブー話0.25、エロ話0.25)
:誰にも迷惑かけない阿呆話 8

   因みに、黄金比と言うのは古代からあるひとつの美の法則で、1 : 1.618 つまり 約 5 : 8 のバランスが美しいそうだ。国旗や名刺もその比率だしレオナルドダビンチも用いたとかピラミッドやパルテノン宮殿も何やら当てはまるらしい。だか ら、先ほ どのバーでの黄金比は美しい..........みたい。活きた情報が 1/6 強ほどしかないのはやや疑問だが、確かにトラブルは少なそうで気持ちよくオトナの会話ができそうではある、ネガティブな話が多いほど聞いてる方は 退屈だ。
........................ しかし、害のない阿呆な話が会話において高等技術だというコトをご陽気な彼は知らない。


  僕がまだ若くよくハメを外して遊びたおしてた時期に、他人が迷惑しそうなコトをしようとする度に友人がこう言っていたことを思い出す、『ええや ん、どうせ このヒトらに2度と会わんやろ。』、いわゆる "旅の恥はかき捨て" 的な自己正当化である。若気の至り、と言えばそれまでだがこれが進行して広がった、これこそが今の社会を腐らせている原因である。
 
  僕は、品格を説いた老学者が言ったように、今の日本人は "恥" を忘れたから酷い世の中になってきているんだと思っている。また、格好つけなくなったから自分勝手なオトナが増えたとも思う。

  "世間体" が日本人の社会規範のひとつだったのに羞恥心を持たなくなって "世間体" を悪としたためだ。パンツを見せて歩いたり、大声で話したり、シルバーシートに平気で若者が座ったり、公僕の汚職も、金儲けして何が悪いんですか 的ファン ドも、モンスターなんちゃらも、成果主義が美意識を上回り羞恥心がなくなったからだ、カッコ悪いなんて気にもしないのだろう。
  おい、もっとカッコつけようゼ、オトナ諸君!
  『判断力批判』でイマヌエル  カントが、美と道徳との関係を考察していたが、美意識こそが人間の価値規範には重要なファクターなのである。松聲館の武道家  甲野善紀氏も以前その大切さをおっしゃっておられたし、武士道の精神が生きた時代には少なくとも仁義も羞恥心もあった。

  では、日本人はいつから美意識を失い羞恥心を持たなくなったのか?

  僕の幼い頃は周りの大人たちが "恥ずかしい" "カッコ悪い" という言葉をよく使っていたように思う。というコトは、僕がハメを外してた時期、つまり、拝金の象徴のバブル期前後から僕らは "恥" を失ったワケだ。
.............そして、空が暗くなった。
  バブル期の華やかな時代に元来の美意識を失ったというのは変に聞こえるかも知れないが、実際、幻は得たが、本質は失った、その最も大きな要因は女 性の社会 進出だと考える。
  残念なコトに、この星の文化は常にオトコ中心で動いてきた。人間の身体もオトコの方が労働に向くように創られ、オンナは育成のために創られてい る。文明が 発達 し肉体労働を機械がし教育も含めたライフスタイルの進化によりオンナがオトコの仕事をしても生態系に影響が少なくなってきた(近年は晩婚少子化と 影響がで てき たが.......)ためオトコと同等に社会にオンナが進出した。

  僕は大胆に言うと、この社会は(特にビジネスの世界は だが)今はまだ、オトコの流儀でやるべきだと思う。

  オンナの美意識は、"不老" が中心であり、そこには "仁義" などなく、"羞恥心" も "世間体" も "美しく" あるための鏡みたいなものでしかない、まさにバブル期の華やかさはオンナが社会にでてきた象徴だった。そんな美意識(というかそんなもの美意識で すらない が)でオトコの流儀の仕事をすると当然ながらクオリティは低下する。
  勘違いして欲しくないのだが、僕はオンナの社会進出の功罪を説こうとしているのでも批判しているのでもない、フェミニストの方々の功績も尊重して いるし男 尊 女卑でもけしてない、むしろ、オトコたちが女性化していってるコトと "仁義" "羞恥心" など武士道の精神、男の尊厳を忘れたコトに落胆しているのである。

   悲しいかな、人生を達観したオンナの方がオトコより男らしい。
  でも僕はオンナは女らしくいるべきだと思う、なぜならオンナには主体的にに現実を観るコトはできても客観的に未来をみるコトはできないからであ る。オ トコの真似では永く続かない、永く続かないコトに本質はない。そこはこれからのオンナの課題だ。


  バーはオトコの場所だ................否、であった。

  オトコたちが命を懸けた仕事の後にオンナコドモに見せられない顔を、知られたくない苦しみを、持って帰りたくない緊張感をカウンターの上に置いて 行く、ワ ンクッション(それもできないガキが増えて困る)。

  なのに、そこにオンナがオンナの美意識で座っていると(何だったらカウンターにオンナが立っている.......俗やね)オトコたちは下半身が脳 に退化を 迫り馬鹿になりオトコの美意識を失い、武士がただの犬になる。

  バブルですら今は昔で今やオンナですら関係ない、オンナに社会の居場所を侵されたオトコたちは群れて悲観的に仲間をつのり傷をなめ合いヒトとの出 会い全て を 縁 (えにし)だと思わないとやってられないのだ(そんなに縁はないかもね)。
  いざバーにやってきても情報を得る嗅覚がないため犬にすらなれず、ネガティブで退屈 な世間話しかできない、女性化どころかもうオバちゃんばかりだ。


  バーはその昔この国がまだ元気だった頃、オトコたちの場所であった。
  そこには夢があった、未来があった、でも残念ながら今はない。


  オトコたちよ、
  "恥" を知れ!
  "男の尊厳" を思い出せ!
  行きつけのバーをライフスタイルの中に取り戻し "カッコいいオトナ" になれ!
  そして、未来への "夢" を 語れ!
........................................そうすればオトコもオンナも右も左もみんなハッピーになれる のさ
 



  2008年7月17日、今日引退を表明した 野茂英雄というオトコのカッコよさを、尊厳を、ココロに刻み、僕はまたひとつ年を重ねた。







2008.8.8加筆

top